車の車検は、いくつかの方法があります。なかでもとりわけ安くできるユーザー車検があります。かかる費用がとにかく「安い」です!自分で車検場に持っていくことで車検の費用を抑えることができます。安くなるのですが点検や整備をやっておかないと受からないこともあります。ではどうすれば自分で点検や整備を行えばいいのでしょうか?今回は、ユーザー車検の前の点検と整備方法をご紹介します。
Contents
ユーザー車検前の点検・整備は必要!
車は、安全に走行を行うためにいくつかの点検や整備といった検査が何種類もあります。
中でも車検という検査があり法令で定められています。
車検を受けるにはディーラーや車の修理工場に頼んで受ける方法と自分で行うユーザー車検といった方法があります。
ディーラーや車の修理工場に依頼すると費用は、思った以上にかかることがありますが、ユーザー車検は、自分で行うことで整備費用やその他諸々の費用がかからなくなります。
整備費用がかからないと言うことは、自分で点検整備を行うとになります。
新車購入後、初の車検であったらまだしも経年劣化の激しい多走行車はとくに点検整備が必要となります。
点検整備をせずにそのままの状態で検査を出すのはかなりの冒険かと。
点検や整備をせずにそのまま車検を受けると不適合になる可能性が高くなります。
しかしなにより安全面においてよくはない!点検や整備を行うことで事故に繋がる不安を少しでもなくしておきたいものです。
ユーザー車検前の予約をする前に、合わせて読んでおくことをおすすめします。
ユーザー車検前の点検・整備方法
ユーザー車検前にやっておくべき点検や整備が必要です。それらを見ていくことにしましょう。
点検、整備にはエンジンオイルやエンジンオイルフィルターまたブレーキパッドなどいくつもの点検部品があり不適合にならないように確認する必要があります。
【エンジンオイル交換】
エンジンオイルの交換で白煙を止める
まめにエンジンオイルなどの定期点検を受けているなら安心ですが、
交換をしていない、また交換頻度が少ない、経年劣化の多走行車になれば必ず交換が必要です。
※定期交換されていても車検前はオイル交換をおすすめします。
エンジンオイルの粘度を上げる
経年劣化の車は、エンジンが気になります。
多走行している車はピストンリング(コンプレッションリング、オイルリング)の摩耗やキズになっていることが考えられます。
ユーザー車検は、排気ガス基準値の上限値を超えることも考えられます。
例えば、マフラーから出る少しの白煙はオイルが混ざっていることも考えられます。
混ざったオイルは、鼻に「ツーン」とした臭いが特徴です。
普段使っているエンジンオイルを入れるだけでは白煙は消えないので、エンジンオイルの粘度を上げ、オイル漏れを防ぐ効果をねらっていきます。
エンジンオイルの粘度は、5W-30から10W-40(又は20W-50)へと上げていきます。
【マフラーから白煙が出るのは?】
オイル上がりオイル下がりによるものです。
オイル上がりオイル下がりで考えられる原因は!
●オイル上がり
オイル上がりとは、ピストンに装着されているピストンリングの摩耗による隙間からオイルが上がり燃焼室で燃料と一緒に燃焼され白煙となる。
●オイル下がり
吸排気バルブのバルブシールが劣化することで流れ込み燃焼室で燃料と一緒に燃焼され白煙となるのがオイル下がりです。
上記のことから摩耗による隙間を粘度の高いオイルで埋めるといった考えです。
経年劣化の車や多走行車、また定期的にエンジンオイルをしてこなかった車は、まず無点検でユーザー車検を受けるのは厳しい。
車検前に少しでもエンジンのコンディションをよくするためにも、事前にエンジンオイル、オイルフィルターの交換をしておくことをおすすめします。
※車検前は、必ずエンジンオイル、エンジンフィルターの交換は、必須です!
エンジンオイル添加剤で白煙止め!
エンジンオイル添加剤で白煙を止める?
車検前にエンジンオイルを入れ替えて白煙も止まったが、時間が経つにつれ白煙が発生することもあります。
このような場合、エンジンオイルの粘度が弱いことも考えられる。
※エンジンにダメージがある場合は、根本的に直す必要があります。
こんな時に頼りになるのが、エンジンオイルの添加剤です。
エンジンオイル添加剤は、ネットやカー用品店にいろんなメーカーの種類があります。
暖機運転を行います。
エンジンをかける。
しばらくして(今回は10程度)エンジン停止。
エンジンオイルの注入口のキャップを開ける。
注入口に添加剤を注ぎます。
エンジンオイル注入口のキャップを閉じる。
エンジンをかける。
アイドリングを行い15分程待ちます。
上記の添加剤投入からガソリンスタンドまで6km走行。
ガソリンスタンドでガソリン給油後、エンジンをかけ排気ガスを確認してみると白煙がおさまっていました。少し安心です!
ガソリン用添加剤も入れてみる
白煙を止めたくエンジンオイルの添加剤も入れてみた。
【ガソリン添加剤】
使用方法は、ガソリン(燃料)を満タンに入れます。
満タンになったガソリン(燃料)にガソリン添加剤を全部入れます。
【使ってみた感想】
「ふわっとした表現なので参考程度に!」
マフラーから出る白煙は、若干減った程度。
オイルの焼けたような「ツーン」とした臭いは無くなっています。
車検での排ガス検査はこれで安心、大丈夫!
今回のお車は、三菱トッポです。
2002年モデルの経年劣化の多走行車、車検が不安なのでガソリン添加剤を入れております。
【三菱 トッポ】
エンジンオイルフィルターの交換
エンジンオイルの交換をおすすめします。
エンジンオイルは汚れている。そのため、オイルフィルターも汚れているので交換します。
【エンジンオイルフィルター】
エンジンオイルにまつわる部品や消耗品の交換が済み点検も終わりました。
これでエンジン周りは大丈夫かと思います。
エンジンのオイル漏れ点検
エンジンオイルが漏れていると整備不良となり車検は、不合格となります。
オイル漏れによって車が安全に走行できない、または火災になると判断されます。
特に注意すべき点は、下記の通りです。
【オイル漏れの点検】
- エンジンオイル交換時にこぼしていないか。
- オイルフィルターの交換時にこぼしてないか。
- オイルパンから漏れていないか。
- シリンダーブロックから漏れていないか。
エンジン周りを上から下までよく見て確かめる必要があります。
オイル、フィルター交換時に下から確認することをおすすめします。
また、その際にトルコンやラジエターからの漏れも確認しておきましょう。
エンジン周りの確認を行う際は、車両が安定してぐらつきがなく動かないことを確認し安全にケガのないように作業を行いましょう。
エンジンオイル等が漏れていると不適合になります。
自分で出来ない場合は、修理工場などに持ち込んで確認してもらうことをおすすめします。
オイルや何かしらの液漏れ!この点検はかなり重要になります。
エアクリーナーの掃除
キレイな空気をエンジンに取り込む際に必要なエアクリーナー。
エアクリーナーは意外と汚れが酷くホコリや虫が付着しています。
車検でエアクリーナの点検項目はないですが、汚れた空気がシリンダーで燃焼されると排ガスに影響します。
エアクリーナーのお掃除は、やっておいても損はないので行っておくといいでしょう。
掃除はエレメント部分を軽く叩くかブラシで軽くホコリを取るだけの簡単な作業です。
また汚れが酷い場合は、交換をおすすめします。
ウオッシャー液の補充
ユーザー車検で見落としがちなのがウオッシャー液です。
車検にはウオッシャー液が噴き出すか、また弱くないかといった検査があります。
噴き出しが弱い場合はノズル先端に汚れが詰まっていたりします。
このような場合は、先のととがったもので穴を掃除すると解決します。
また、取り外しブレクリーン(スプレー缶)などを使い洗浄してみましょう。
それでも解決しない場合は、ディーラーや車の修理工場に持って行くか交換が必要になります。
ウオッシャー液が無くなっていることに気づかず出なくて不適合っていうこともあります。
車検場でこんなことも!
ウオッシャー液の点検を忘れていたことで、検査が不合格となった方もおられました。
そこで、軽自動車検査協会の洗面所からペットボトルに水を入れ補充されておられました。
こんなことにならないよう事前によく確認しておきましょう。
ワイパー等の保安基準
ワイパーやワイパーゴムの破損を確認しておきましょう。
ワイパーでよくあることが、ワイパーゴムが切れていたりブレードがぐらつくといったことがあります。
このような場合は不適合となるので確認しておきましょう。
【ワイパーの適合基準】
- ワイパーは自動で動くワイパーを備えることになっています。左右のワイパーがある場合は同時に動く必要があります。
- ワイパーの劣化がある場合も不適合になります。ワイパーがぐらついて破損している、ゴムが切れていて機能していないなどがあげられます。
- ワイパー以外に洗浄噴射装置(ウオッシャー液)やデフロスタ(同等の性能、同場所に設置され基準を満たすこと)が備わっていなければいけないです。
上記のことを踏まえ動作や劣化がないことを確認する必要があります。
不具合があれば交換が必要になります。
リアワイパーの基準
リアワイパーの適合基準はありません!
リアワイパーの装着義務はないです。取り外されていたりゴムが切れていても車検に適合車で通ります。
※取り外した場所の処理は必要となる
ワイパーの保安基準
ディーラーや車の修理工場でよくあるのが、「ワイパーゴムが切れてます、交換が必要です」と言われた経験がありませんか?
ワイパーは車の部品の中でも重要な部品の一つです。
前方の視界を安全に保つための重要な部品になるからです。
また、ワイパーには定められた保安基準があります。
下記のワイパー(窓拭き器)の保安基準が満たされていないと適合車とみなされないです。
【ワイパーの保安基準】
ワイパー(窓拭き器)の保安基準:
- 車のワイパーはフロントガラスに設置がされかつ自動で動くことを定められています。また左右にワイパーが設けられている場合は、同時に動くことが必要と定められています。
- ワイパーの損傷、劣化によってワイパーの働きが著しく低下し機能しない場合は、基準を満たさない。
- 洗浄噴射装置(ウォッシャー液)とデフロスタを設置していなければならない。デフロスタとは、フロントガラスのくもりに温かい風を吹き出しくもりを除去するものです。
- 運転中の視界確保にウォッシャー液が噴射することが必要です。ウォッシャー液の噴射範囲はワイパー(ワイパーゴム)の可動範囲に噴射する必要があります。
- デフロスタの機能につても求められます。視界が悪く見えないほどのくもったガラスを早く(迅速に)視界の確保する性能が必要になります。
- 車に設置されているワイパー、デフロスタ以外で、ワイパーやデフロスタと同じ性能で同じ場所に備えられていれば基準を満たすことになると定められている。
ワイパーの破損やゴムが切れていると前方の視界も悪くなり事故になりかねません。このような状態になったら交換や修理を早急にする必要があります!
リザーバータンクの液量
エンジンルーム内にある各リザーバータンク内の液量をよく確認しましょう。
例えば、ブレーキフルードのオイル量やラジエター液などの液量を確認しておくことが必要です。
ブレーキフルード
ブレーキフルードのリザーバータンクの容量が下がっていきます。
ブレーキパッドがすり減ることで、ブレーキのピストンが押し出され、その分のリザーバータンクの容量が下がることになります。
ブレーキパッドの確認も必要となります。
またブレーキフルードの色も見ておきましょう。
濁った茶色になっている場合は、交換が必要になります。
自分で交換できない場合は、ディーラーや車の修理工場で交換することをおすすめします。
ブレーキは、車を停止させる働きをします。点検は慎重に行いましょう。無理に交換するとブレーキが効かなくなり危険です。
車検満了日までの時間がなかった場合や自分で整備ができないと思われた方に持ち込めるお店をネットで調べておくことができます。万が一のために調べておくことも必要です!
タイヤ溝の点検
タイヤの溝は、車検で必ず点検されます。
タイヤ溝が、1.6mm以下になると保安基準を満たしておらず判断され不適合車となります。
タイヤの摩耗のサインは、スリップサインになります。
タイヤのスリップサインは、タイヤの溝の横方向にある凸(盛り上がり)で約1.6mmになっています。
タイヤが減ってくると溝がスリップサインの1.6mmと同じ高さまでになると保安基準を満たさなくなり不適合となります。
一般的に新品の時は約8mmの溝の深さがあります。
タイヤの交換時期と交換方法を知っておくと便利!合わせておすすめします。
ホイールナットの基準
ホイールナットの長さや締め付けは車検で検査されます。
最近、よく見るカラーのホイールナット。足回りをキレイに見せたいものです。
そこで、ホイールナットを変更した際に気を付ける点があります。
ホイールナットの長さです。
ホイールナットの長尺は、いくつもの種類があります。好みに応じて取り付けがちになりますが、ボディーの車幅からはみ出さないようにすることが必要です。
ボディからはみ出したホイールナットをうっかり取り付けたままにしておくとユーザー車検で不適合車扱いになります。必ず確認を行いましょう。
ホイールナットの締め付けにも注意が必要になります。
必ず決められた締め付けトルクでしっかりと取り付けます。ゆるみがないように事前によく確認しておきます。
ブレーキパッドの摩耗
ブレーキパッドの摩耗することで基準値を下回っていると不適合車になります。
判断基準は、残り量が1mmと定められています。
目視で見て薄いようでしたらスケールなどで計測を行います。
ブレーキパッドが残り少ない状態であれば交換が必要になります。
ブレーキパッドの交換手順とかかる費用をご紹介しております。こちらも合わせてお読みください。
エアクリーナー掃除も!
排気ガスにも影響があるエアクリーナー!車検時に困らないためにも点検が必要です。
エアクリーナの点検とはフィルターの汚れによる目詰まりなどを掃除、または汚れが酷い場合は交換が必要になります。
車検前の点検にオイルやブレーキ周りについて見てきましたが、供給する空気はどうでしょうか。
排出ガスに影響をおよぼす空気の安定供給や綺麗な空気をシリンダ内に送り込むことはとても重要です。
その綺麗な空気を保ってくれるのがエアクリーナーになります!
車検の予約方法と必要な書類は、こちらと合わせて読むことをおすすめします。
検査の流れの動画です。雰囲気が伝わってもらえればと思い動画にしました。
まとめ
今回は、ユーザー車検の前の点検と整備方法をご紹介しました。
ユーザー車検は、とにかく安い!
しかし自分で安全面の管理も必要となります。
こまめな定期点検や交換部品の定期交換、摩耗部品の交換といった自責が必要です。
自分で点検することで愛車の状態も良く分かるようになります。
今回は、ここまでとなります。ご覧になられていかがだったでしょうか。また、別のブログも配信しておりますのでそちらもご覧下さい!
ブログ以外にもmamecoroエンジンは、YouTubeで動画を配信しております。
皆様の愛車がいつまでも綺麗であり続け安全かつ事故の無いことを願っております。
では、また次回お会いしましょう。