車のタイヤ交換!季節の変わり目でタイヤ交換です。スタッドレスタイヤや夏タイヤの交換が必要な地域があります。そのタイヤ交換に欠かせないのがホイールナット。ホイールナットの締め付けには規定となるトルクがあります。緩んでいても締め付けすぎても危険!今回は、安全に走行ができるようホイールナットの種類と規定トルクの締め付けや工具の使い方をご紹介します。ホイールレンチやトルクレンチを使い安全なホイールの脱着を行います!
Contents
ホイールナットってなに?
ホイールナットは、タイヤが装着されているホイールにハブボルトをはさみ固定するためのナット。
これによってタイヤは安定した回転運動を送ることができ走行が可能となる。

ホイールナットの種類には、メーカーや車種によって形状や使用するナットの数も違う!
- ナットの数が4個、5個と使用する車もある。
- 車種によってホイールナットのサイズの違いもあります。
- 形状の違いもありホイールナットではなく、ボルトになっているタイプもあります。ボルトを使用しているお車は、特に外車がこのタイプになります。
- 最近では色のついたホイールナットがあります。車の足回りのドレスアップで綺麗に彩られるようになりました。
車種によるサイズやホイールナットの数に違いがあるのでホイールナットの脱着の際には、使われているサイズをよく確認しそれにあった工具、ホイールナットを使っていく必要があります。
ナットサイズの見方
ナットサイズは、規格で定められた記号や数値があり、ナットのサイズ表を皆さんも一度は見たことがあるんじゃなかろうかと…(マニアックすぎてみたことないかもねぇ~😅)。
代表的なサイズ(六角形ナット)を下記の内容で見ていきます!
例えば➜ M12 × P1.5 ナット径21
分解すると
➊M ➋12 ➌P ➍1.5 ➎ナット径21
記号、数値の見方は!
- M ➜ ミリメートル
- 12 ➜ ねじの直径(ナットの内径)
- P ➜ ねじ山のピッチ
- 1.5 ➜ ねじ山とねじ山の寸法(ねじ山と山の頂点の長さ)
- ナット径21 ➜ ナットの外径

<ねじの内径・外径寸法>
ねじのサイズで気をつけること。それは、ねじの直径とねじ山、長さです。
ねじの直径を間違えるとごそごそであったり、入らないことになります。
また、ねじ山を間違えて無理やり入れ回すとねじ山が壊れて噛みこんだ状態になり破損、取り外しができなくなります。
さらにナットの長さがホイールより出るような長いサイズは、車検に通らないので使用できないです。
➊のMは、単位にあたるところで、Mと書いてミリメール
➋の12は、ボルトであったらねじ部分の直径になりナットでは、ねじ部分の内径
➌のPですが、ねじ山のピッチのことをさしている
➍の1.5は、ねじ山のピッチで、ねじ山の頂点とそのとなりの山の頂点との寸法(長さ)国産車は、P1.5(1.5mm)と P1.2(1.2mm)の2種類
➎ナット径21、ナット自体の外径寸法(6角形の対角の平面と平面との寸法)
車種、各メーカーによってサイズの表記は、違うので合ったサイズをよく確認し選ぶことをおすすめします。間違えないようにサイズの表記を覚えておきたいものです!
ホイールナットの種類
ナットの種類は、いくつもあります。中でも車に使われる代表的なものをいくつか見ていきましょう。
テーパーナット
テーパーナットは、ナットとホイールの接触面が角度60度になるテーパータイプ(ホイールもナットも角度60度)。
メーカー以外の社外品のほとんどがこのタイプが選ばれています。選ぶときは角度60度の確認は必要。

袋テーパー
ホイールとの接触面はテーパー状でねじ穴の反対側はねじ穴が見えず貫通していないねじになっています。
貫通テーパー
こちらもテーパーの形状でねじ穴の部分が両側で貫通しておりハブボルトの先端が見えます。
平座ストレートナット
国産車の純正アルミホイール使われているナット。平座ストレートナットはホイールとナットの接触面が平面になって締まるタイプのものです。
レクサス、トヨタ、三菱、日産の各メーカーに使われている。
平座袋ストレートナット
平座袋ストレートは、接触部分が平面になっていてボルト穴の反対側は貫通していない。
平座貫通ストレートナット
こちらも接触面は、平面です。ボルト穴が両側で貫通している形状になっている。
球面座ナット
球面座ナットは、ホイールとナットの接触面が、球面になっている。
ホンダ車の純正ホイールに使われるナットの形状です。
球面座袋ナットの形状
球面座袋ナットは、接地面は球面でボルト穴は貫通していない形状になっている。
球面座貫通ナットの形状
球面座貫通ナットは、接地面は球面の形状になっていてボルト穴は貫通している形状。
外車はボルト形状!
外車の多くは、ナットではなく形状がボルト、主に規格がボルト形状になっているものが主流となって使われています。

<形状がボルト>
ボルトの表記、下記のように表します。
例) サイズ : M12 × P1.5 ボルト径17 テーパー角度60度
このほかにもサイズがあるのでよく確かめましょう!
ナットの長さの種類ショートとロング(スタンダード)

ナットの種類には、ナットの長さが短いものと長いものがありショートとロングにあたります。
これは、テーパーナット・平座ストレートナット・球面座ナットにショート、ロングのものがあります。
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ホイールナットを緩める工具の種類と使い方
ホイールナットを緩める。ホイールナットを締める緩める工具、用意するものは?
ホイールナットを緩める工具
ホイールレンチ
車の車載工具の一部です。純正で搭載されています。この車載工具ですが、かなり考えて作られています。
持ち手が規定のトルクになるように調整された長さになっていいるので端の方を握って締めれば規定のトルクになります。
ナットを緩めたり、締めこんだりするときに使用。詳しくは、本記事の締め付け規定トルクで解説。
クロスレンチ
ホイールレンチが十字に取り付けられている工具です。こちらも緩める時や、締めていくときに使います。
十字の先端4箇所に異なったサイズのレンチになっているのが特徴です。
17mm・19mm・21mmの薄口形状と21mmの計4つのソケットサイズとなっている。

<十字レンチ>
トルクスレンチ
<グリップでトルクの設定ができ、締めすぎや緩まないように規格のトルクで締めつけられる。
締めすぎるとラチェットがカチっと音がなりトルクがかからないので分かりやすい。

<トルクスレンチ>
インパクトレンチ(電動、エアー)
人の力でナットを回さずに機械で緩めたり締めたりができ、作業が楽になる工具。
トルクのあるインパクトはボルトやナットを破損する可能性があるのでトルクなどを調節ができ、規格に合ったものを選ぶことをおすすめします。

<インパクトレンチ>
車を浮かせるのに必要な工具
必要な工具:
- ジャッキ
- ジャッキスタンド(うま)
- ジャッキスタンド用パッドゴム ※外車などに必要
- タイヤストッパー(輪留め)
ホイールナットの脱着に特化した記事なので、上記のジャッキなどの内容は、また別の記事でご紹介します。
タイヤのご購入に今やネットの時代!
ホイールナットの緩めかた
ナットを緩める作業の前に、コンクリートなどの固い平らな場所で行う。タイヤにタイヤストッパー(輪留め)を行いサイドブレーキをしておく。

<輪留め>
注意することは、タイヤストッパー(輪留め)の方向を間違えないようにしましょう。
前輪を上げるときには後輪の後方側、後輪を浮かせるときは前輪の前方側にタイヤストッパーをかける。
ジャッキアップする前に、タイヤが地面と接地している状態でホイールレンチを使い仮に緩めていきます。
タイヤが浮いた状態だとタイヤが回転してしまいトルクがかからなくなって緩めることができない。
完全に緩めないことです。完全に緩めてしまうと、タイヤの脱輪による大けがや車の損傷の原因になってしまいます。
電動インパクト(エアーインパクト)がある場合は、ジャッキアップ後でも緩めることができます。
緩めるときだけ電動インパクトを使います。作業がとても楽になって時短になります!

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締めつけの規定トルク/何ニュートンメートル?
ホイールナットの締めつけには既定のトルクが車種によって違い車種に合ったトルクで締めつけていきます。
締め付け過ぎるとねじ山がつぶれて噛んだり、ボルトが折れるようなことでの破損原因になります。
緩いと走行中にナットが緩みタイヤの脱輪になりかねないので、大きな事故につながります。
車の規定トルク
ホイールナットを締めつけるには、規定のトルクがあり、その数値で締め付けていきます。
◆規定トルク
軽自動車: 80~105N・m (8~10.5㎏)
普通乗用車: 90~120N・m (9~12㎏)
軽自動車にかかるトルクは100~105N・mぐらいが目安、105N・mです。
ナットにかかるトルクは、何ニュートンメートル?
「1mのレンチの先端に10㎏のおもりを乗せたときのナットにかかる力」これで考えると約10キロの締めつけトルクになる。
10kgf・m → 10N・m(ニュートンメートル)
ホイールナットの締めつける方法/注意点
ホイールナットを締めつけていこう!
ハブボルトにナットを締めていきますが、ナットを締めこんでいくと指がかからなくなりますよね、その時にディープソケットを使い奥まで締めていきます。
ホイールレンチを使ってナットを締めていく。
前輪を締めていく場合は、ギヤをニュートラルにしておく。
後輪ならサイドブレーキを戻し解除しておきます。
この状態で、ホイールレンチを締める方向(右回転)に回していき締まったら、タイヤを左に回しさらに締めこんでいきます。
タイヤを回すことでナットのテーパー部分がホイール穴の中心にもってこれます。
ナットの必要数を仮締めができたら車体を下ろしタイヤを地面に接地させていきます。
本締めをやっていきましょう!トルクレンチで規定のトルクを設定します。
設定は、トルクレンチのグリップや持ち手の先端のダイヤルを回して合わせます。

ジィーさんの愛車は、105N・mなのでそこに設定。トルクレンチに車種に合ったサイズのソケットをはめます。
ナットにはめて締まる方向(右回転)に回します。
カチっという音がしたらそれで規定のトルクで締まりました。これで完了です。



まとめ
今回は、「タイヤ/ホイールナットの種類と規定トルクの締め付け方法!」をご紹介しました。
ホイールナットの表記はナットの外径やねじ山のピッチがありました。表記に載っている設定数値は車種やメーカーによって違いがありました。
形も違いがあり種類は主に3種類でした。外車は、ボルト形状になっています。
ナットを締めつけるときには規定のトルクが必要でした。規定のトルクも軽自動車、乗用車によって違いがありました。
ナットを緩める時の道具もいくつもありましたが、電動のインパクトがとても簡単に楽に作業ができました。
締めつけるときも手順があり、最後にはトルクレンチを使用しました。
ナットは締めすぎたり緩すぎると危険でした。そのために規定トルクで締めることが重要でした。安全を心がけてカーメンテナンスを行いましょう!
今回は、ここまでとなります。ご覧になられていかがだったでしょうか。関連記事も合わせてご覧ください😄
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皆様の愛車がいつまでも綺麗であり続け安全かつ事故の無いことを祈っております。
では、また次回お会いしましょう😄