車のブレーキには、マスターシリンダーと呼ばれる部品があります。マスターシリンダーは、ブレーキペダルを踏むとブレーキパッドやブレーキシューに油力がかかり、車体を止めてくれます。油圧を各ブレーキに伝達させるのがマスターシリンダーです。マスターシリンダーの内部の部品は、交換が必要になります。今回は、「ブレーキマスターシリンダーの交換/構造と役割オーバーホール」をご紹介します。
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マスターシリンダーとは
エンジンルームの運転席側に顔を出して飛び出している金属の筒に配管が数本取り付けてあり、その上に液体が入ったタンクがくっついている部品が「マスターシリンダー」と呼ばれるものです。
車を停止させる際にブレーキペダルを踏みます。その時に入力した力が油圧に変換させる装置がマスターシリンダーになります。
動作は、簡単な構造になっていますよー😄
ブレーキペダルからの入力がそのままマスターシリンダーのピストンを押すだけになります。
マスターシリンダー構造と役割
マスターシリンダーの構造は、ブレーキペダルを踏みこむことによって、ブレーキの踏み量によって倍力装置からマスターシリンダーへと伝わります。
マスターシリンダーの働きは、ブレーキペダルからの入力がプライマリピストンとブレーキフルードと共に押しこまれ、更にセカンダリピストンをブレーキフルードと一緒にマスターシリンダー先端まで押し込まれる。
どちらのピストンも押し込まれることでフロント、リアのブレーキに油圧が働き、ブレーキキャリパーに備え付けられているブレーキパッドやリアのブレーキドラム内のブレーキシュー(一部、ブレーキキャリパーもある)に油圧がかかりブレーキが効き車の停車へとなっていきます。
言葉だけの動作説明でしたが、ブレーキの配管内に油圧を発生させ各パーツを圧力によって動かし車を停車させる制御を行う役割をしています。😄
構造は、簡単のように感じますが、人の命を預かるところなので過酷な環境下の元でも必ず車を停車させなければいけない部品や装置になります。オーバーホールや部品交換時に、構造を知っておくことで、エアをかまさないことや劣化部品のままではダメだということがわかりました!
では、マスターシリンダーの交換方法、オーバーホールを見ていきましょう!
マスターシリンダー交換方法
マスターシリンダー交換方法とオーバーホールのやり方を見ていきましょう!
今回登場するのは、三菱トッポさんになります!
必要な工具と部品
マスターシリンダー脱着と部品交換に必要な工具と部品をご紹介します。
- フレアレンチ ※M10
- ボックスレンチ ※M12 M14
- ラチェットハンドル またはTバーレンチ
- スナップリングプライヤー
- メガネレンチ(フレアレンチでも可)※M8 M10 M12
- スポイド ※100均または、ホームセンター
- ボトル ※ブレーキフルード補充用
- ブレーキフルード ※DOT3
- シリコンチューブ ※エア抜き用
- 逆流防止弁 ※エア抜き用
- ペットボトル ※廃油用(ブレーキフルード)
上の青文字は、主にブレーキキャリパー・ブレーキシューなどのエア抜き用として使いますよー😄
マスターシリンダー取り外し
マスターシリンダーに付いているリザーバータンク内のブレーキフルードをスポイドを使って抜いていきます。
ブレーキフルードの液量警告の端子コネクターを外します。
外しました😄
ブレーキパイプが4本取り付けてあるので、フレアレンチを使い外します。
※フロント側×2箇所とリア側×2箇所の4箇所となります。
ブレーキパイプをゆるめ外します。
フレアレンチが届かない時や見えずらいこともあるので、気を付けたいところです!
ブレーキパイプが固着していることもあるのでボルトをなめないようにしましょう。
作業は、慎重にですよー😤
倍力装置とマスターシリンダーを留ている2個のナットを外します。
使用する工具は、ボックスレンチM14で外します。
ユニバーサルジョイントも使って角度を誘導し回します。
取り付けボルトは外せ、ブレーキパイプも外せたところで、マスターシリンダーのプライマリピストンを倍力装置(ブレーキブースター)のプッシュロットからひっこ抜きます。
引っこ抜くには相当な力が必要ですよ!
倍力装置(ブレーキブースター)とプライマリピストンは、がっちりはまっています!
「おりゃ~😤」と、外す。
マスターシリンダー分解
プライマリピストンが飛び出さないように留まっているスナップリングがあり、外していきます。
スナップリングプラアイヤーの先端にスナップリングの穴に通します。
次にストッパ・ボルトを外します。
ボックスレンチやメガネレンチ、スパナを使い外します。
この時の注意が、ストッパ・ボルトを先に緩めてしまってスナップリングを外すとかなりの勢いでプライマリピストンが飛び出しブレーキフルードを巻き散らかすので、先にスナップリングから外します!
また、取り出したプライマリピストンとセカンダリピストンの取り付け方向や順番が分かるように、写真やそのままの状態で置いておくことをおすすめします😄
マスターシリンダーの部品組付け
カップは、ピストンに組み込まれASSY交換になっています。
マスタシリンダーにプライマリピストンやセカンダリピストン、スプリングを入れていきます。
初めに、スプリングをマスターシリンダーへ入れます。
ピストンのカップに付属されているグリスを塗布。
次にセカンダリピストンを入れる。
次にスプリングとプライマリピストンを入れていきましょう。
プライマリピストンのカップにグリスを塗布します。
プライマリピストンを「ギュ」っと目一杯、押し込みます。
プライマリピストンをドライバなどを使って押し込みストッパボルトを締める。
押し込んでます~😤
最後にスナップリングプライヤーを使いスナップリングを装着します。
マスターシリンダー単体のエア抜き
マスターシリンダー内に入っているエアーを単体で抜いておくとホース配管内のエア抜きの際に圧をかけることができます。エアの残がなく、しっかりとエアが抜けます!
使用するブレーキフルードは、DOT3です😄
カー用品店で購入しました。イエローハットさんです(豊富な品揃えでした)😄
リザーバータンクにブレーキフルードを入れます。
ブレーキパイプが繋がってたフロント側(2箇所)、リア側(2箇所)の油系統の配管穴(計4箇所)を指でふさぎます。
※手袋を着けてさぎょうしましょう!写真は、手袋を忘れています😅
ふさいだ穴からブレーキフルードを少しずつエアと一緒に吹き出します。
始めは、プライマリピストンを押し込むとエアが出ますが、しだいにブレーキフルードが出てきます。
この時、プライマリピストンを勢いよく押し込むとブレーキフルードがふさいでいる指の隙間から飛び出します。
勢いよく飛び出したブレーキフルードが顔や目に入らないように注意し作業をしましょう。
目を保護する防具やゴーグルなどを着用しましょう!
マスターシリンダー取り付け
マスターシリンダー単体のエア抜きが終ったらマスターシリンダーを倍力装置(ブレーキブースター)に取り付けていきます。
マスターシリンダーのボルト穴2箇所を倍力装置のボルトに通しますよー😄
※マスターシリンダーは、強く押しこんでいきましょう!
マスターシリンダーは、仮付けしておきますよー。
ブレーキパイプ4箇所をはめます。
※指で負荷の無い所を探りながら4箇所をしめていきます。
指で締まらなければ、パイプとマスターシリンダーを揺らしながら中心を探しましょう。指でかるくしめていきます。
しめる時に、きついようだったらもう一度戻して初めからやり直しましょう。
増し締めはフレアレンチを使ってしめていきます。
ナットをしめていきます。※初めは指でしめていきます。はまりが悪かったら戻し指で回るところを探ります。
無理に締めていくとねじ山の破損原因になります。
ナット2箇所をボックスレンチを使い増し締めします。
ブレーキパイプ内のエア抜き作業
マスターシリンダーが取り付けられたら、ブレーキパイプ内にかんだエアを抜いていきます。
マスターシリンダーのリザーブタンクにブレーキフルードを入れたボトルを立て補充します。
パイプ内のエアを抜き取ります。
シリコンチューブに逆流防止弁をつなぎます。
ブレーキキャリパーのブリーダースクリューキャップを外します。
ブリーダースクリューにメガネレンチをかけます。(フレアレンチでもいいですよー)
ブリーダースクリューへシリコンチューブを差し込みます。
逆流防止弁の方向に気をつけてシリコンチューブを取り付けます!
反対側のシリコンチューブは、ドレン用のボトルに差し込みます。
ブリーダースクリューを先ほどかけてあったメガネレンチを使い緩めます。
ブレーキペダルを数回踏みエアと古いブレーキフルードを排出して行きます。
ブリーダースクリューをしめます。
フロント側、リア側の合わせて4箇所のエア抜きを行いますよ😄
自分で出来ない場合は
マスターシリンダーやエア抜きを見てきましたが、どうしても難しいと思われた方は、無理をせず、ディーラーや車の修理工場にやってもらうことをおすすめします。
安全面にかかわる部品ですから~🤔
マスターシリンダー部品の交換時期
マスターシリンダーの交換時期はいつがよいのでしょうか?
メーカーでは、4年が交換の目安とされ、距離にして40,000Kmです。
ほとんどの交換は、ブレーキフルードが漏れた時の交換したといったようなことを聞きます。
車検の度に交換と言われるのは過剰な整備と言えるかもしれないですね😤
まとめ
今回は、車のブレーキマスターシリンダーの交換/オーバーホールの解説をご紹介しました。
マスターシリンダーは、ブレーキにとって、とても重要な部品です。ブレーキフルードの液漏れなどがあった場合は、オーバーホール・部品交換が必要となります。
安全にかかわるパーツになっているので気を付けたいものですね。
今回は、ここまでとなります。ご覧になられていかがだったでしょうか。また、別の記事もご覧下さいね。
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皆様の愛車がいつまでも綺麗であり続け安全かつ事故の無いことを祈っております。
では、また次回お会いしましょう!